息切れについて~板橋の訪問診療~
板橋区は坂の多い土地なので、歩いた時の息切れで悩まれている高齢者の方も多くいらっしゃいます。
長く健康を保つためには運動が欠かせません。ただ、息切れのために運動が困難になってしまう。
そういった場合にはまずは息切れに対して医療的なケアを行う必要があります。
息切れとは平たく言うと体が「酸欠」の状態です。
そして体がどのように酸素を取り込み、全身に送っているかを考えると息切れの原因が見えてきます。
①まず第一に酸素を取り込む肺
肺に持病がある方、長年タバコを吸われてきた方
→一度傷んだ肺を元に戻すことはできませんが気管支の空気の通りを改善する薬(内服、吸入薬)で改善することがあります
次に肺で取り込まれた酸素は血液の流れに乗って全身に届けられます
②血液の量が少ない:貧血
→ご高齢の方では消化管出血が貧血の最も多い原因です。便が黒いなどはありませんか?
(お薬の影響で便の色が黒くなる方もいます)
あるいは血液疾患が隠れていることもあります
③血液を全身に回すポンプ心臓の機能の低下:心不全
→高齢者では一定程度は皆さん心臓の機能が落ちてきます
心不全の初期症状としては足のむくみ、息切れなどがあります。
心不全に関しては薬物療法以外に心臓リハビリを行うことでも症状の改善が得られます。
中にはグループでリハビリを行う通所リハビリテーション施設などもあります。
まずは医師の診察を受けて息切れの原因をはっきりさせましょう。
年齢のためと諦めていても、その息切れは改善できるかもしれません。